先端設備等導入計画認定のための申請書・様式マニュアル

 経営力向上計画の弟分ともいえる先端設備等導入計画とは、2018年、中小企業庁(および経済産業省)の肝煎の企画にて、デビューした「公的な事業計画」です。

 

 ですが、いざ蓋を開けてみると、当初は導入企業があまりにも少なく、今や、中小企業庁は先端設備等導入計画の認定数を増やそうと躍起になっています。「躍起になっている」ということは、今後とも先端設備等導入計画の認定を受けることにより、経営力向上計画と同様、補助金などで加点される可能性が非常に高いということになります。そんなわけで今後とも先端設備等導入計画には注目していきたいですね!

(*^-^*)

目次

先端設備等導入計画とは

 先端設備等導入計画とは、簡単に言えば、中小企業や小規模事業者などが、設備投資を通じ労働生産性の向上を図るための中小企業庁による公的な計画です。

 

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 「公的な措置」と一口で言っても、そこには経営革新計画経営力向上計画経営改善計画(早期経営改善計画)など多くの種類がありますが、先端設備等導入計画は、この中でも経営力向上計画に似ている公的計画です。

 

 先端設備等導入計画では、事業者が所在する市区町村が、国より「導入促進基本計画」の同意を受けている場合に限り、事業者はその認定を受けることが可能となります。

 

 そして、認定を受けた場合には、市町村の判断により、新規取得設備の固定資産税が最大3年間ゼロになるなど様々な税制支援や金融支援などの公的な措置を受けることができます

 

 そのため、先端設備等導入計画は今や設備投資を考える中小企業や小規模事業者にとって検討が必須な公的計画であると言えるでしょう。

 

知られざる先端設備等導入計画の最大メリットとは?

 先端設備等導入計画のメリットとデメリットについては、後ほど、じっくりと述べますが、本項では、現時点では、ほとんど知られざる先端設備等導入計画の最大メリットについてお伝えしたいと思います。

 

 実は、先端設備等導入計画の認定を受けることによって、多くの補助金の審査において加点されることをご存知でしょうか?

 

 また、加点される補助金には、どのようなものがあるのでしょうか?

 

 下表を見ますと、ものづくり補助金をはじめとして、小規模事業者持続化補助金IT導入補助金など「設備投資に使える補助金」がほとんど対象となりますね。

 

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 また最近、知り合いの補助金コンサルタントから入ってきた極秘情報ですが、実は2018年度(平成29年補正)のものづくり補助金の一次公募において、先端設備等導入計画の認定を受けた事業者は「10点もの加点がされた」ということです。

 

 上記の真偽の程は定かでないのですが(申し訳ございません<(_ _)>)、何でも、先端設備等導入計画の制度を導入したものの、認定に応募する事業者があまりにも少ないため、中小企業庁は、制度をもっともっと広めようと躍起になっているらしいのです。

 

 経営力向上計画においても、あまり広まっていない時期があり、その時期には認定を受けるだけでも、美味しい「ご褒美」がたくさん与えられましたが、その意味でも、今後、先端設備等導入計画にはますます注目しておいた方が良さそうですね。
(*^_^*)

 

先端設備等導入計画その他メリット「税制支援」とは?

 前項では、「補助金の加点」が「先端設備等導入計画の最大のメリット」とお伝えしましたが、事業者によっては「税制支援」の方が「補助金加点」より大きなメリットを感じるかもしれません。

 

 というのも、先端設備等導入計画においては、中小事業者等が、適用期間内に、市区町村から認定を受けた先端設備等導入計画に基づき、一定の設備を新規取得した場合、新規取得設備に係る固定資産税の課税標準が3年間にわたって、ゼロ~2分の1の間で市町村が定めた割合に軽減されるためです。

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 上記の中でも課税標準が(最大の)ゼロになる場合、そのメリットの度合いは経営力向上計画2分の1)をも上回ることになります!(ただし市町村がその割合を2分の1に定めてしまった場合には同じレベルとなりますが)
!(^^)!

 

 さらに、この税制支援は、設備の利用者と固定資産税の負担者が異なる「所有権移転外リース」の場合にも該当します。

 

 というのも、「所有権移転外リース」の場合には、本来固定資産税を負担するリース会社が特例を利用し、その軽減分をリース料から減額することで、中小事業者に還元する仕組みとなっているからです。

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 固定資産税の負担が大きく資金繰りに支障を来たすことが想定される場合には、経営力向上計画と併せて先端設備等導入計画の税制支援の仕組みをうまく活用することも検討したいものですね
(*^_^*)

 

先端設備等導入計画のその他のメリット②「金融支援」とは?

 本項では、先端設備等導入計画メリットにつき、前項の「税制支援」に続いて、「金融支援」について述べたいと思います。

 

 まず、先端設備等導入計画の認定を受けた事業者は、資金調達に際し債務保証に関する支援を受けることができます。具体的に言えば、先端設備等導入計画の実行(≒機械投資)にあたり、民間の金融機関から融資を受ける際に、信用保証協会による信用保証のうち、普通保険とは別枠での追加保証を受けられます。

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 上記の表で、例えば無担保保険枠においては、普通は8,000万円までしか借入をすることが出来ませんが、先端設備等導入計画の認定を受ければ、枠がさらに8,000万円拡大するという訳です。(合計1億6,000万円まで借りられる
 

 確かに、借入の枠が広がるというのは、とても有難いことですが・・・

 

 はっきり言って、先端設備等導入計画の「金融支援」は少々ショボい感が否めません (+_+)

 

 というのも、経営力向上計画と比較して、金利の優遇措置もありませんし、日本政策金融公庫の参加もありません。また「多く借りられますよ」と言われたところで、そもそも初期枠ですら借りきれない事業者も多いのではないでしょうか。文句を言うようで恐縮ですが、先端設備等導入計画の「金融支援」については、もう一工夫ほしいところですね。

 

 ちなみに、「金融支援」を受けるにあたっては、先端設備等導入計画を提出する前に、必ず信用保証協会に相談するようにしましょう。認定を受けた後、慌てて相談に行っても「時既に遅し」です。
(;_;)/~~~

 

金融支援と税制支援~経営力向上計画との違いとは?

 

 先端設備等導入計画につき、これまで述べてきた金融支援と税制支援についてのまとめを行いたいと思います。

 

 まとめにあたって、先端設備等導入計画の兄貴分ともいえる経営力向上計画とのおもな違いを下記一覧表にまとめてみました。

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 総じて経営力向上計画の方が前広で利用しやすい印象がありますね
(*^_^*)

 

 先端設備等導入計画は弟分ながら、柔軟性にやや欠けている気がします。例えば設備投資についても、工業会の証明書が必須、設備取得後の申請は認めないなどより「お役所色」がより濃いものとなっています。

 

 敢えて言えば、固定資産税については、先端設備等導入計画認定でゼロになれば経営力向上計画より有利になる可能性があります。(経営力向上計画は一律2分の1

 

 しかし上記はあくまで「可能性」であり、仮に市町村が課税標準を(ゼロではなく)2分の1と定めた場合には、申請者としてはどうしようもありません(‘ω’)ノ

 

 ということで、金融支援税制支援に限って言えば、先端設備等導入計画には申請者側から見てメリットがあまり感じられず、結果として経営力向上計画に分が上がりそうですが、それだけに冒頭に述べたような補助金加点の濫発などが行われているのかもしれませんね。
  

 

先端設備等導入計画って誰が認定を受けることが出来るの?

 これまで述べてきたように、非常に多くのメリットがある先端設備等導入計画ですが、認定を受けることが出来る対象者は誰になるのでしょうか?

 

 まず下表をご覧ください。

 

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 細かいことは割愛しますが、例えば製造業であれば、資本金が3億円以下もしくは常時使用する従業員の数が300人以下であれば、先端設備等導入計画の認定を受けることが可能という訳です。極端な話となりますが、例え、資本金が5億円であっても常時使用する従業員の数が299人であれば認定は可能です。

 

と考えれば多くの中小企業は認定可能ということになろうかと存じます。

 

 また上記の表は、どこかで見られた方が多いのではないでしょうか?

 

 どこ?

 

 具体的には補助金の公募要領ですね 笑

 

 要は認定を受けられる「中小企業者」の規模として、中小企業等経営強化法第2条第1項に定められている通りなのですが、この規定は、補助金と重なることが多いという訳です。

 

 また株式会社のみならず、個人事業主や有限会社(会社法上の会社)あるいは企業組合、協業組合、事業協同組合なども上記の「中小企業者」に該当します。

 

 ただし、社団法人、財団法人、NPO法人などはNGです

 

 少々ややっこしいのは、上記の「中小企業者」と(先端設備等導入計画の)税制支援を受けられる「中小事業者等」が異なる点です。「中小事業者等」の要件のひとつに「資本金もしくは出資金の額が1億円以下の法人」というものがあります。

 

 例えば、資本金3億円の製造業は「中小企業者」には該当するため、先端設備等導入計画の認定そのものは受けることが出来ますが、資本金1億円超となるため、「中小事業者等」には該当せず先端設備等導入計画による税制支援は受けられないということになります。本当に「ややこしや・・・」ですね
(+_+)

 

先端設備等導入計画って誰が認定を受けることが出来るの?②

 

 繰り返しになりますが、先端設備等導入計画は『事業者が所在する市区町村が、国より「導入促進基本計画」の同意を受けている場合に限り認定を受けることが可能となります。

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 ということは・・・

 

 そうです。逆の言い方をすれば、事業者が所在する市区町村が「導入促進基本計画」を策定していない場合、事業者がどんなに努力をしていようが認定を受けることが出来ません。。。
( ;∀;)

 

 上記の点が、国の省庁(もしくはその下部組織)が分担して認定を行う経営力向上計画と大きく異なる点となります。

 

 

 最近、この手の中央政府による地方自治体に対する「飴と鞭」のような政策が多くみられるようになってきましたね。(+_+)

 

 例えば、国の創業補助金においても、創業者の所在する市区町村が「認定市区町村」でない限り、創業者は創業補助金に申請すらすることが出来ません。「飴と鞭」も結構ですが、公平性の観点からは非常に不公平な制度のような気がします。

 

 で、自分の事業の所在する市区町村が「導入促進基本計画」を策定しているかどうかはどうやって調べたら良いの?

 

 実は、中小企業庁も全国の市区町村に策定の意向があるかどうか、アンケートを取っているだけで、具体的にどの市区町村が「導入促進基本計画」を策定しているかは未だ「準備中」のままです。(2018/7/8時点)
(;_;)/~~~

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 そこで、例えば「千葉県千葉市」が「導入促進基本計画」を策定しているかどうかを知りたい場合には、「千葉県千葉市 導入促進基本計画」でググってみましょう。

 

 下記の画像のようにPDFにて「導入促進基本計画」が検索結果に表れれば、無事(?)策定していることになりますが、そうでない場合には、市区町村に直接問い合わせをしてみるしかないでしょう。特に地方の事業者にとっては案外不便な仕組みですよね。。。

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先端設備等導入計画の認定を受けるにはどうすれば良いの?

 

 本項からは先端設備等導入計画について、より実務的な概要について述べていきたいと思います。まず最初に先端設備等導入計画の認定の流れについては、「先端設備等導入計画策定の手引き」が比較的分かりやすいので、ここから引用させていただき、若干の解説を加えてみたいと思います。

 

制度活用の流れ

1.制度の利用を検討/事前確認・準備

①所在する市区町村が「導入促進基本計画」を策定しているか確認。
・導入促進基本計画を策定している市区町村については、中小企業庁HP等で公表予定です。

・市区町村によっては、認定の対象となっていない業種や地域等もございますので、詳細については所在する市区町村にお問い合わせください。

・認定を受けられるのは、新規取得する設備が所在する市区町村になります。

 

 ↑上記の中で、注意すべき点は、先端設備等導入計画では「認定を受けられるのは、新規取得する設備が所在する市区町村」という点です。ちなみに経営力向上計画では、「各事業分野の主務大臣に計画申請書を提出」します。そこで例えば、神奈川県の個人事業主札幌市で太陽光発電事業を開始する場合、先端設備等導入計画では札幌市より認定を受け、経営力向上計画では関東経済産業局長より認定を受けることになります。(ここも「ややこしや」ですね( ;∀;))

 

②認定を受けるためには、該当する新規取得設備の取得日より前に「先端設備等導入計画」の策定・認定が必要なため、活用にあたってはスケジュールを確認。

・既に取得した設備を対象とする計画は認定されませんのでご注意ください。(特例はございません。)

・経営革新等支援機関の事前確認や市区町村における認定事務に一定以上期間を要する場合があります。余裕を持って計画の策定準備をしてください。

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2.「先端設備等導入計画」の作成

①所在する市区町村が策定した「導入促進基本計画」の内容に沿っているか確認。

②「先端設備等導入計画」の様式・記載例を確認し、認定支援機関に確認を依頼。

③税制措置を受けるためには、新規取得設備に係る工業会証明書を依頼。

※申請までに工業会証明書が取得できない場合には、市区町村に、後日追加提出する旨をお伝えください。

 

3.「先端設備等導入計画」の申請・認定

①所在する市区町村長に計画申請書(必要書類を添付)を提出。

②認定を受けた場合、市区町村長から認定書が交付されます。
(計画申請書の写しが添付されている場合もあります。)

 

4.「先端設備等導入計画」の開始、取組の実行

・税制措置・金融支援を受け、生産性向上のための取組を実行。

※税制措置の適用を受けるためには別途要件を満たす必要があります。

 

先端設備等導入計画の記載内容について

 

 本項では前項に引き続き、先端設備等導入計画の記載内容について、手引きより引用させていただきます。

 

<記載内容>

 中小企業者が、①一定期間内に、②労働生産性を、③一定程度向上させるため、④先端設備等を導入する計画を策定し、その内容が所在する市区町村の「導入促進基本計画」に合致する場合に認定を受けられます。

① 一定期間とは? 
・計画認定から3年間、4年間又は5年間
※市区町村が作成する導入促進基本計画で定めた期間となります。

 

②労働生産性とは? 
・労働生産性は、次の算式によって算定します。

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③一定程度向上とは? 

・基準年度*比で労働生産性が年平均3%以上向上すること。

*直近の事業年度末
・労働生産性の向上に必要な生産、販売活動等の用に直接供される下記設備。

 

<対象設備>
機械装置、測定工具及び検査工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウェア
※市区町村が作成する導入促進基本計画で異なる場合があります。

 

<計画の記載内容>

①先端設備等導入の内容
・事業の内容及び実施時期
・労働生産性の向上に係る目標

②先端設備等の種類及び導入時期
・直接当該事業の用に供する設備として取得する設備の概要例)機械の種類、名称・型式、設置場所等

③先端設備等導入に必要な資金の額及びその調達方法

※認定経営革新等支援機関が事前確認を行う

 

 

先端設備導入計画認定のための申請書(様式)の記入方法

 さて本項からは、先端設備導入計画認定のための申請書様式)の記入方法について述べていきたいと思います。

 

 まずは、申請書(様式)等を下記のURLからダウンロードするようにしましょう。

http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/seisansei/index.html

 

 すると下記のページに飛びますので、少し下にスクロールするとダウンロードURLが見つかります。

 

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 ワードは1ファイルにまとめられていますが、大きくは「様式第三(第4条関係)」と「別紙」に分かれています。そしてこの「別紙」こそがまさに「先端設備導入計画書」そのものとなりますが、大きくは下記の5つに分類されます。

 

  • 1.名称等
  • 2.計画期間
  • 3.現状認識
  • 4.先端設備等導入の内容
  • 5.先端設備等導入に必要な資金の額及びその調達方法

 

 それぞれの項目の具体的な記入方法については次記事以降で詳しく述べていきますが、これらの書式の様式は、まさに経営力向上計画にそっくりですね。まさに公的事業計画の双子と言われる所以なのではないでしょうか?(*^_^*) 

 

絶対に気をつけたい様式第三(第4条関係)記入上の注意点とは?

 

 「様式第三(第4条関係)」とはいわば「先端設備等導入計画の表紙」にあたる部分ですね。各吹き出しの注意点を改めて見てみましょう。

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1つめの吹き出し

➤<宛名>は、先端設備等の所在地を管轄する市区村長です。

➤官職名が記載されていれば、氏名は省略しても差し支えありません。

 

 ↑上記では、設備を投資する市町村の市町村長等の氏名を記すサンプルになっていますが、吹き出しにも書いてあるように、官職名(「~市長」等)を記載すれば、具体的な氏名は省略した方が良いでしょう。というのも仮に古い情報などを見て、市長の氏名を間違えて記入などしてしまった場合、再提出を迫られる恐れがあるためです。

 

2つめの吹き出し

➤<申請者名>は、氏名を自署する場合、押印は省略できます。押印する場合は、実印としてください。

➤共同申請の場合は、代表となる1社(者)について記載し、代表者以外の参加企業については、余白に住所、名称及び代表者の氏名を記載し、押印してください。

 

 ↑できれば「自署+実印押印」がベストな形と思われます。例えば「印刷および実印押印」の場合には、行政側から申請者へ本当に実印かどうかの確認が入る可能性があるためです。こういったムダな時間をできるだけ避けるためにも、ここでは(吹き出しにも関わらず)「自署+実印押印」ということで行きましょう。

 

3つめの吹き出し

➤認定申請書の提出の際に、(備考)及び(記載要領)は必要ありません。

 

 ↑ということは、(備考)及び(記載要領)の部分については、申請者が、ワードのファイルより削除しなければならないということです。デリート忘れに気をつけるようにしたいものです。

 

「1.名称等」の記入上、注意すべき2つの点とは?

 

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4つめの吹き出し

 

<1 名称等>
個人事業主など、資本金を有しない場合や法人番号(13桁)が指定されていない場合は、それぞれ記載不要です。

 ↑上記の中で、個人事業主については、「4.資本金又は出資の額」および「3.法人番号(13桁)」の記載は不要ですが、「1.事業者の氏名又は名称」、「2.代表者名」、「5.常時使用する従業員の数」、「6.主たる業種」については、記入必須となります。ここを省いてしまうと後で、お役所から問合せが来るなど余分な時間を喰ってしまいますので、漏らさず記入するようにしましょう。

 

5つめの吹き出し

主たる業種において、中小企業者の判定を行います。複数事業を行っている場合、売上高や付加価値額・従業員数などの経営指標の割合が最も多くの割合を占める事業をさします。

 ↑前述した「先端設備等導入計画の対象者って誰?①」において、先端設備等導入計画の認定を受けられるかどうかは、業種別に「資本金」および「常時使用する従業員の数」で範囲が定まっていると述べましたが、まず、その要件をここでチェックするという訳です。

 

 尚、具体的にどの業種に該当するかについては、下記総務省の「日本標準産業分類」の「中分類」より該当する「主たる業種」を選択します。

 

総務省の「日本標準産業分類」

http://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/sangyo/02toukatsu01_03000044.html

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「2.計画期間」の決め方と留意すべき点とは?

 

6つめの吹き出し

<2 実施時期>
計画開始の月から起算して、①3年(36ヶ月)、②4年(48ヶ月)、5年(60ヶ月)のいずれかの期間を設定して記載して下さい。

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 ↑上記の中で、「計画期間は3年、4年、5年のいずれを選べば良いの?」という質問を受けることがあります。結論としては、どれを選んでも認定の可否には、それほど大きな影響はありません。ただ一般的に期間が長くなればなるほど計画自体の不確実性が増すため、私個人としては3年を選択してもらうケースが多いです。

 

 尚、細かい点ですが、いつも気になるのが記入例の表現です。ここでは「平成30年8月~平成33年7月」とありますが、もはや「平成33年」はあり得ないということは決まっています。ですから本来は「2018年8月~2021年7月」とすべきではないかと思うのですが、どうも日本のお役所にはそういう感覚は欠如しているようですね。( ;∀;)

 

「3.現状認識」で漏らさず書かねばならない5項目とは?

 

7つめの吹き出し

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 <3 現状認識>

➤①欄は、自社の事業等について記載してください。

➤②欄は、売上高等の財務指標や顧客の数、主力取引先企業の推移、市場の規模やシェア、自社の強み・弱み等を記載してください。

 

 ↑上記の内、「②自社の経営状況」については、記入必須項目として、少なくとも「売上推移」、「顧客数」、「主力取引先企業の推移」、「市場規模およびシェア」、「強み・弱み」の5点があるということですね。漏らさず記入するようにしましょう。

 

 「【売上推移】」といった形で5項目に小見出しをつけても良いかもしれませんね。(*^_^*)

 

 

「4.先端設備等導入の内容」で漏らさず書かねばならない5項目とは?

8つめの吹き出し

 

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①具体的な取組内容について

<4 先端設備等導入の内容>

➤「①具体的な取組内容」欄は、実際に先端設備等を導入し、行う取組の内容について記載してください。 その際には取組を行う業種についても併せて記載ください。市区町村が策定する基本計画における業種等の限定については、当該内容で判断されることとなります。

 

 ↑上記が恐らく先端設備等導入計画において肝となる部分の1つですね。市町村が「業種等の限定」についてもここから判断するということで、かなり具体的で踏み込んだ内容にすることが望ましいと言えます。

 

②将来の展望

➤「②将来の展望」欄は、先端設備等導入による効果について記載してください。

 

 ↑先端設備を導入することによる効果を書き込んでいきますが、記入例にはありませんが、導入前・導入後の違いなどについて書き込んでみるのも有効かもしれません。

 

 

(2)先端設備等の導入による労働生産性向上の目標の算出にあたって注意すべきこと

 

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9つめの吹き出し

<(2)先端設備等の導入による労働生産性向上の目標>

原則として、「A 現状」は計画開始直前の決算(実績)、「B計画終了時の目標」は計画終了直前決算(目標)を基に計算してください。

「A 現状」について、決算一期を経ていない場合は合理的な算出方法で現状値を求めて下さい。
 

 ↑「決算を1回も行なっていない企業は合理的な算出方法で現状値を求める」・・・ということは例えば試算表で月次決算を行い、その数値より下記式を用いて算出するといったことが考えられますね。
(*^_^*)

 

【指標の計算について】

労働生産性
 =(営業利益+人件費+減価償却費)÷
 労働投入量(労働者数又は労働者数×1人当たり年間就業時間)

・伸び率の計算式の分母Aは絶対値です。

 ↑上記の注意点は「分母Aは絶対値」という点です。つまり現状の営業利益が赤字、人件費と減価償却費を加えてもマイナスとなる場合、おかしな結果になってしまうので絶対値を用いて修正するということですね。

 

 

(3)先端設備等の種類および導入時期

 

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10つめの吹き出し

<(3)先端設備等の種類及び導入時期>

➤導入を予定している先端設備等を、この欄に記載します。

➤本欄に記載する設備は、直接生産若しくは販売又は役務の提供の用に供するもののみになります。

➤「導入時期」欄には、設備取得予定年月を記載して下さい。

➤「所在地」欄には、当該設備の設置予定地(都道府県名・市区町村名) を記載して下さい。

※ 同じ型式の設備を複数取得する場合でも、「取得年月」や「所在地」が異なる場合には、列を分けて記載して下さい。

 

➤各番号の設備の情報を続けて記載して下さい。

➤「設備等の種類」欄には各設備の減 価償却資産の種類を記載して下さい。

➤「証明書等の文書番号等」欄には、添付する工業会等の証明書の整理番号を記載して下さい。

※ 工業会等の証明書を追加提出する場合、税制の特例を利用しない場合は空欄で提出。

 

➤「設備等の種類別小計」欄には、各設備等の種類毎に数量、金額の小計を記載して下さい。

 

 ↑上記には、先端設備等の情報につき、表を3つに分けて記載するということですね。本例では3つの先端設備等しか購入しないため、同じことを何回も記載しなければなりませんが、複数の先端設備等をいろいろな場所で購入する場合には、それらをデータベースとしてまとめる作業がこれに加わることになります。(*´Д`)

 

 

「5.先端設備等導入に必要な資金の額及びその調達方法」の記入上の注意点とは?

 

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11つめの吹き出し

<5 先端設備等導入に必要な資金の額及びその調達方法>

→「使途・用途」欄には、必要とする資金について、具体的な使途・用途を記載してください。

→「資金調達方法」欄には、自己資金、融資、補助金等を記載してください。

→なお、同一の使途・用途であっても、複数の資金調達方法により資金を調達する場合には、資金調達方法ごとに項目を分けて記載してください。

 ↑このあたりも経営力向上計画にそっくりですね”(-“”-)” 

 書き方そのものについては、経営力向上計画申請の経験者であれば何ら問題なくサクサク記入できるところでしょう。

 

 ただ2つ目の黒ポチには、「資金調達方法」には「補助金を記載」との説明がありますが、実際上、ここに「補助金」と書けるケースは極めて稀なのではないかと思われます。

 

 というのも補助金の支給は、小規模事業者持続化補助金をはじめとして「後払い」が原則となっているためです。そのため、資金調達を記入するこの欄にはほとんどの場合、「融資」か「自己資金」を選択することになろうかと思います。(*^-^*)

 

 

先端設備等導入計画の申請の手続き方法でもっとも注意したい点とは?

 

先端設備等導入計画の申請~手続き方法について

 

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12つめの吹き出し

(注)以下に記載の内容は一般的な申請手続きを示したものです。
申請先となる所在する市区町村の申請案内をよく確認下さい。

申請書類
① 申請書(原本)

② 認定経営革新等支援機関による事前確認書

③ その他、市区町村長が必要と認める書類

④ 返信用封筒(A4の認定書を折らずに返送可能なもの。
返送用の宛先を記載し、切手
(申請書類と同程度の重量のものが送付可能な金額)を貼付して下さい。)

↑上記の「以下に記載の内容は一般的な申請手続きを示したもの」という表現は要注意です。というのも(経営力向上計画でも同様のケースが発生したのですが)市区町村によっては、申請書等のフォーマットを、その市区町村独自のフォーマットへ改訂(改悪?)している場合があるからです。その場合、中小企業庁が作成したフォーマットを用いて申請してしまうと差し戻しとなる恐れがありますので、事前に市区町村のホームページ等で確認した方が無難といえるでしょう。

 

 また「④ 返信用封筒」ですが、(経営力向上計画の記事でも書いたのですが)個人的にはレターパック360を使用する場合が多いです。レターパックの追跡番号を確認することによって、認定が下りたのかどうか、少し早めに知ることができるので、お役所への無闇な問い合わせをせずに済むという理由からです。(*^-^*)

 

 

税制措置の対象となる設備を含む場合

上記①~④に加え以下の書類
⑤ 工業会証明書(写し)

⑥ 誓約書(⑤の追加提出を行う場合)
※固定資産税の軽減措置を受ける際、ファイナンスリース取引であって、リース会社が固定資産税を納付する場合は下記⑦⑧も必要です。

⑦ リース契約見積書(写し)

⑧ リース事業協会が確認した軽減額計算書(写し)

申請先
所在する市区町村(「導入促進基本計画」の同意を受けた市区町村に限る)
同意を受けている市町村のリストは中小企業庁のHPで公表を予定しています。
「5.ホームページ・問い合わせ先」のURL先をご覧ください。

 

 

先端設備等導入計画の申請~変更申請について

 

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4.手続き方法 (3)変更申請

変更申請について
認定を受けた中小企業者等は、当該認定に係る「先端設備等導入計画」を変更しようとするとき(設備の追加取得等)は、その認定をした市区町村の変更認定を受けなければなりません。

なお、設備の取得金額・資金調達額の若干の変更、法人の代表者の交代等、第41条第1項の認定基準に照らし、認定を受けた「先端設備等導入計画」の趣旨を変えないような軽微な変更は、変更申請は不要です。 

先端設備等導入計画変更認定申請書の入手方法
様式は以下のURLからダウンロードできます。

http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/seisansei/index.html

(注)以下に記載の内容は一般的な申請手続きを示したものです。申請先となる所在する市区町村の申請案内をよく確認下さい。

 

申請書類 

① 変更申請書(原本)
② 先端設備等導入計画(変更後)
(認定を受けた「先端設備等導入計画」を修正する形で作成してください。変更・追記部分については、変更点がわかりやすいよう下線を引いてください。)
③ 認定経営革新等支援機関による事前確認書
④ 旧先端設備等導入計画の写し(認定後返送されたもののコピー)
(変更前の計画である事を、計画書内に手書き等で記載ください。)
⑤ 返信用封筒(A4の認定書を折らずに返送可能なもの。返送用の宛先を記載し、切手
(申請書類と同程度の重量のものが送付可能な金額)を貼付してください。)

上記①~⑤に加え以下の書類
⑥ 工業会証明書(写し)
⑦ 誓約書(⑥の追加提出を行う場合)

※固定資産税の軽減措置を受ける際、ファイナンスリース取引であって、リース会社が固定資産税を納付する場合は下記⑧⑨も必要です。

⑧ リース契約見積書(写し)
⑨ リース事業協会が確認した軽減額計算書(写し)

 

↑上記の変更申請については、特記すべきことはないので、詳細なコメントは割愛しますが、それにしても、変更申請の仕組みも経営力向上計画とクリソツですね。

(*^-^*)

 

 

先端設備等導入計画の提出前に必ずチェックしないといけない2点とは?

 

 これまで述べてきたように、先端設備等導入計画の書類作成だけでも(特に初回は)かなり注意しないといけない点が多々あります。

 

 そして、申請書類がやっと完成(^^)/

 

 「これで一安心!」と言いたいところですが、安心するのはまだ早いです。

 

 というのも、先端設備等導入計画にはローカルルールというものがあるからです。

 
 ローカルルール???

 

 そうです。ローカルルールです。

 

 「ローカルルール」とは、具体的には、申請先となる市区町村によって、提出書類の書式や提出方法などに「独自の決め事があること」です。

 

blog20180810

 

 特に、提出方法と提出資料の違いには十分に注意してください。

 

 まず、提出方法は「中央ルール」では原則「郵送」が基本ですが、市区町村によっては「持参」が義務付けられる恐れがあります。即町村にとっては、「持参」の際に軽い面談やヒアリングめいたことも可能となりますから、そういう思惑もあるのではないでしょうか(*^-^*)

 

 次に、提出書類についても十分に留意し、事前チェックを欠かさないようにしましょう。市区町村のローカルルールによっては、「誓約書」や「税金の滞納がないことの証明書等」をつけなければならない場合もあるようです。

 

 最後の最後にミスったために、認定が大幅に遅れるといった事態には陥らないようにしたいものですね
(*^-^*)

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