創業融資~必勝マニュアル

なぜ個人事業主の80%近くが3年以内に廃業に追い込まれるのか?

8a8320b3e63e28fa78a52562639c0cbb_s 個人事業主のおよそ80%が開業3年以内に廃業に追い込まれると言われています。

 

 「言われています」というのは公式な統計データがないためです。 

 

 というのも個人事業主は税務署に開業届さえ提出すれば、いつでも開業することができます。資本金を用意する必要もないし、法務局へ行って登記する必要もありません。

 

 また利益が出なければ税金を払う必要もありませんから行政側もそもそも統計の基となるデータが取れないという訳です。 

 

 したがって、本当に80%近くの個人事業主が3年以内に廃業に追い込まれると断言はできませんが、例えば自宅近くの飲食店などで開業間もないのに、いつの間にか店舗自体が閉店といった光景を頻繁に見かけませんか? 

 

 ちょっと美味しそうなメニューが並んでいて、いつか行こうと思っていたのに「閉店しました」との貼り紙を見るのはなんとも切ないものです。 

 

 それでは、どうすればその廃業率を少しでも落とすことができるのか?

 

 この記事では、主に個人事業主が廃業に追い込まれる理由およびその対策について述べていきたいと思います。 

 

政策金融公庫データの不思議発見! 

 

 851858ae880d82aec71706ddad442ad6_s政策金融公庫のホームページにて面白いデータを見つけました。

 

 それは同社が貸し付けている顧客の3年以内の生存率がおよそ80%近くに上るというものです。   

 

 80%の生存率ということは廃業率は20%となる訳で生存率/廃業率の結果は一般に言われているものと正反対の結果となります。

 

 もちろん統計の母体自体も異なるため厳密に正反対とは言えないのでしょうが、それにしても一般の個人事業主と比較すると、日本政策金融公庫が融資した顧客の場合、3年以内に廃業に追い込まれる比率は、かなり低下すると言えそうです。

 

 極めて逆説的な言い方となりますが、開業3年以内に廃業に追い込まれたくない個人事業主や小規模企業は、まずは政策金融公庫からの借入から始めてみると良いのではないかと思います。

 

そもそも政策金融公庫って何なの? 

 

 d38fa8c13e42f8cee29d9cebbe05c8b2_s政策金融公庫の正式な名称は「株式会社 日本政策金融公庫」となります。

 

 社名の通り、一応株式会社ですが、そうは言っても例えば証券会社の窓口に行って「政策金融公庫の株、買いたいんだけど・・・」と頼んでも売ってはくれません 笑

 

 というのも政策金融公庫の株式は100%国が保有しているからです。「国の政策に基づき中小企業以下の企業に対して、さまざまな支援サービスを行う公的な金融機関」・・・これが政策金融公庫の正体です。

 

 そんな政策金融公庫の資本金は4兆222億円、支店数は152店舗、 職員数7,364人(平成29年2月現在・同社HPより)。三菱東京UFJ銀行の資本金が、1兆7,119億円 支店数は766店舗、従業員数35,214人ですから、一概に比較はできないものの遜色のないレベルの金融機関であることはお分かりいただけると思います。

 

 また「政策金融公庫」のことをいまだに「国金(こっきん)」と呼ぶ先輩起業家の方も多いと思いますが、これは政策金融公庫は2008年10月に設立された際に国民生活金融公庫(こっきん)、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫の3社を引き継いだためです。

 

 社名が変わった今となっては、本当は「政金(せいきん)」と呼ぶべきかもしれませんが 、なにか「政金(せいきん)」って呼びにくいため、「国金(こっきん)」が今でも用いられているのだと思います。

 

 上記をまとめますと、政策金融公庫とは「国が運営する公的金融機関」です。 

 

制度融資って何?政策金融公庫との違いとは?

 

851858ae880d82aec71706ddad442ad6_s 上の記事で政策金融公庫について書きましたが、日本の公的融資制度には政策金融公庫の他に制度融資というものがあります。

 

 それでは制度融資とは何なのでしょうか?

 

 制度融資とはカンタンに言うと「①都道府県・市区町村などの地方自治体と②信用保証協会、③民間の金融機関の3者が協力して行う公的融資」を表します。 ここでおさらいですが、政策金融公庫の株は国が100%保有しています。

 

 つまりは

1.国が実施する公的融資制度が政策金融公庫

2.地方自治体が実施する公的融資制度が制度融資

(もっとも信用保証協会そのものは国が運営する組織です)

 ↑このように覚えておくと良いと思います。

 

 分かりにくいですね   笑

 

 なぜ「公的融資」として一本化しないのでしょうか?

 

 その理由としては予算の出所や管理者が異なるためです。

 

 例えば、今何かと話題の石原元都知事が設立した新銀行東京を覚えていますか?

 

 2003年、中小企業に対する無担保融資などを行い資金繰りに悩む中小企業を支援するため開業したのですが、運営わずか3年で1,000億円近い累積赤字を抱え事実上の破綻に至りました。現在は東京都民銀行と八千代銀行を傘下に置く東京TYフィナンシャルグループの傘下に入っています。

 

 設立当初、東京都が新銀行東京の株式の84.22%を保有しており新銀行東京はある意味で「都営の公的金融機関」でした。運営面やビジネスモデルなどさまざまなところに問題はあったのでしょうが、その後、破綻に至った経緯からみて、さすがの東京都と言えども金融機関を直接経営するだけの体力はなかったと言えるでしょう。

 

 したがって、繰り返しとなりますが、制度融資では地方自治体が直接金融機関を保有するのではなく、信用保証協会や民間の金融機関と協調して公的融資を実施します。

 

 この三者協調という形が政策金融公庫融資との大きな違いとなります。(尚、信用保証協会や民間の金融機関については、ここで書き散らかすと複雑で分かりにくくなるので別の機会に詳しく触れていきたいと思います)

 

なぜ個人事業主は銀行から融資を断られるのか?

 

7bb1dcd734e3e5717ba2bb8981680a6b_s 最初にお断りしておきたいのは、法人であれ、個人事業主であれ、民間の金融機関から創業時の事業資金をプロパー融資として受けるのはとても難しいという実態です。

 

 「難しい」というか、「ほとんど無理」といっても過言ではないかもしれません。

 

 ちなみにプロパー融資とは、「誰の連帯保証もなく借り入れる本人だけの信用で、金融機関から融資を受けること」を言います。

 

 どうして難しいの?

 

 ここで思い出してほしいのが、この記事の冒頭の「個人事業主のおよそ80%が開業3年以内に廃業に追い込まれると言われている」という箇所です。

 

 さらに言えば、銀行はなぜ貸付業務を行っているのでしょうか?

 

 ボランティア?

 

 いえいえ、そんな筈ありませんよね。

 

 そもそも銀行はビジネス(商売)として貸付業務を営んでいます。そしてビジネスである以上、「売上」だけでなく「利益」もあげなければなりません。 

 

 ここで銀行側の立場に立ってみましょう。

 

 例えば100万円の資金を利率10%という高金利で10人に貸し付けたとします。貸付総額は100万円×10名=1,000万円。1年後には利息が100万円入ってくる予定です。

 

 ところが、10名の新規顧客の内、1人が焦げ付いてしまうとどうなるのか?利息収入90万円に対して貸倒損失が100万円・・・つまり赤字です。

 

 10%という高金利を取ったところで、1人から回収できなかっただけで赤字に転落してしまう訳です。だから開業3年以内に80%が廃業に追い込まれると言われる個人事業主に、何の保証もなく、お金を貸し付けてくれる筈はありません。

 

 「でも私は民間の金融機関から借り入れることが出来たわよ

 

 このように言われる女性のお客様もいらっしゃるのですが、よくよく話を聞くと、旦那さんが連帯保証人となっているケースがほとんどです。

 

 そしてその旦那さんは、その民間金融機関(信用金庫が多いです)と既に商売上のつきあいがあり、そこそこの信用もある・・・その旦那さんの連帯保証があれば金融機関側も安心して貸すことが出来る・・・という訳です。

 

 しかしですね。

 

 ここでよくお考えいただきたいのは、「仮に夫婦関係がうまくいかなくなり、離婚という事態に陥ったらどうなるのか?」という点です。

 

 もちろん契約ですから当初の借入期間は、万が一、貸倒の際はご主人は借入残高を返済しなければなりません。

 

 問題は借り換えとか追加融資の際です。

 

 その時、ご主人と分かれて独り身となった主婦に、銀行がホイホイお金を貸してくれるのか否かという点。率直に言えば非常に厳しい・・・その理由は先に述べた通りです。

 

 つまりご主人の連帯保証がなくなった時点で、いくら運転資金の必要性が生じても、借換や追加融資を受けることが出来なくなるため、資金ショートを起こす可能性が極めて高いということです。

 

 したがって、創業融資については、民間の金融機関は最初からアテにせず公的融資を第一に考えるべきと思います。

 

借入のトラウマに陥る個人事業主

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 お客様とお話をしているとよく過去に民間の金融機関に事業資金の借入の申し込みをしてバッサリと断られてしまったことからトラウマに陥ってしまう人がいます。

 

 要は「金融機関が私のような弱小個人を相手にしてくれる筈がない」と決めつけてしまう訳ですね。

 

 だから、いくら事業が拡大するチャンスに恵まれても、そのチャンスを活かすことができません。「ここで資金を投入すればほぼ成功が見込める」といった機会に接しても見逃してしまう。ど真ん中の直球が来たのにバットを振ることすらせず、あっさり三振です。(+_+)

 

 とてももったいない話ですね。

 

 そもそも創業時の融資は公的融資を利用することがセオリーです。いきなり民間の金融機関に「金を貸してくれ」など暴挙を起こすのであっさりと断られてしまうのです。

 

 開業後、業績がキチンと向上しており、真面目に事業活動をしている事業主には民間の金融機関といえども手を差し伸べてくれる可能性は非常に高いです。

 

 ただしそのためには日ごろから金融機関とのつきあいを密にしていかなければなりません

 

 そして、そのためにも創業時にはできるだけ、公的融資政策金融公庫制度融資)を活用して資金を調達しておくべきなのです。さらに実績を積み、マメに金融機関に報告する・・・このことが大切であることは言うまでもありません。

 

公的融資でも借金すれば借金漬けにされる!?

 

d38fa8c13e42f8cee29d9cebbe05c8b2_sもう一つよくあるタイプのお客様が「借金は悪いもの」と決めつけているタイプです。

 

 日栄(現:ロプロ)が以前、債務者に対して「金がないなら腎臓売れ! 目ん玉売れ!」などと恫喝したからでしょうか?

 

 それを知っている世代の中には「借入金」をしただけで「借金漬け」にされる、「無理な取り立てで破綻する」と懸念する人すらいます。

 

 でもですね。

 

 政策金融公庫とか、信用保証協会とか、国が運営する公的機関が、そのような行動をとることがあり得るのでしょうか?

 

 まー常識を働かせればわかるでしょう。

 

 もっとももちろん返済を滞らせれば、法に基づき、それなりのペナルティが課せられることはあります。でも商売をやっていく以上、契約違反をすれば何等かの制裁を受ける場合がある、これは当然のことではないでしょうか?

 

 ですから少なくとも公的融資に関しては、取り立てとか、連帯保証とか、そういう面での過剰な心配は不要と言えるでしょう。

 

 それよりも事業の運営上、資金ショートを起こしてしまう方がよっぽど深刻な問題と言えるのではないでしょうか?

 

実務経験者でも売上目標の30%がやっと?

 

7225a06576ce1157183dd9ea1d4e3fdf_s それではなぜ開業仕立ての起業家は資金ショートを起こしてしまうのでしょうか?

 

 ここで興味深い実例があります。

 

 それは飲食店関係で実務経験にある人でも、開業してから半年から1年くらいの間は目標に対して30%程度の売上しか達成できない場合が多いというものです。

 

 例えば

 

 1日3万円の売上を目標としていた洋菓子屋さんの実際の売上は1日1万円

 

 1月300万円の売上を目標としていたレストランの実際の売上は1月100万円

 

 こんな感じです。

 

 誤解しないでいただきたいのは、上記の起業家は業界の素人ではありません。むしろ一流店で長年、厨房やホール係、エリアマネージャーなどを経験していたバリバリの業界人です。

 

 そして、長年の勤務経験より「1日当たりの客数はこれくらい、平均単価はこれくらい、回転率はこれくらい」・・・など精密な予測を立てて開業に臨んだにもかかわらず、実際にはその計画の3分の1位の計数しか上げられないのです・・・

 

 それでは上記の人たちの経営能力がそんなに低かったのでしょうか?

 

 どうもそうではないようです。

 

  新規開店のお店の場合には、よほどの行列でも出来ていればともかく、そうでない店舗の場合には、スタート時点で苦戦することは普通にあります。

 

 苦戦するのは、そのお店にまだリピーターがついていないからです。

 

 すべて新規顧客からの売上しか期待できないのです。そこが既存顧客のリピーターが多い周りの競合店との最大の違いとなります。

 

 ですから今まで、いくら実務経験を積んでいたとしても、集客という面では自店の集客力をかなり過大に見積もってしまう恐れがあります。

 

 で

 

 問題は経費の方ですね。

 

 例えば固定費の代表選手「家賃

 

 先の月300万円売り上げる予定のレストランが、月100万円の家賃の契約をしていたらどうでしょう。

 

 実際の月売上が100万円であれば他の支払も一切できないことになり、即資金ショート→倒産ということになります。資金ショートを起こしやすい所以ですね。

 

なぜ創業時に借りなければならないのか?

 d38fa8c13e42f8cee29d9cebbe05c8b2_sよく創業時の借入に躊躇してしまう起業家の方がいらっしゃいます。

 

 前述したようにそもそも「借入金は悪いもの」と思い込んでいる上に「今、あわてて借りなくても良いんじゃないの?」と考えられるケースが多いようです。

 

 また「できるだけ自己資本のみで事業を始めた方が良い」という論調の本も出版されています。

 私も起業する前は借金はできるだけ少ない方が良いと考えていましたが、今は少々違う考え方です。

 

 もちろん多額の自己資金を持っている方なら別ですが、基本的に事業に必要な資金はできるだけ早めに借りておいた方が良いです。

 

 というのも、創業からしばらく経ってしまうと(経営状況が極めて良い場合を除き)新規に借入を起こすことは難しくなる場合が多いからです。

 

 上記は立場を金融機関の融資担当になったつもりで考えると一目瞭然です。仮に赤字続きの小規模事業者や個人事業主から「お金を借りたい」と申し込まれても「あーそうですか」とホイホイ貸すものでしょうか?

 

 そんな脇の甘い銀行員はあっという間に左遷、淘汰されてしまいます。

 

 しかし創業時には反対に言えば、何も業績を示す資料はありません。民間金融機関のプロパー融資は難しいのですが、公的融資(政策金融公庫信用保証協会の絡んだ制度保証)については多いに可能性があります。

 

 創業時であれば借りれたものを、創業からすばらく経ったために、公的機関からもまったく相手にされなくなる・・・こんな事態は避けたいものですね(*^_^*)

 

創業融資はどこから始めれば良いのか?

 807e546e7f62959b2251cfb7b82363b1_s   創業融資はまずどこから始めればよいのでしょうか?

 

 考えられるのは、政策金融公庫もしくは制度融資です。繰り返しとなりますが政策金融公庫が運営する融資制度、制度融資は(国が運営する信用保証協会と民間金融機関の力を借りて)地方公共団体が運営する融資制度となります。

 

 簡単に言えば、政策金融公庫制度融資の2つの選択肢がある訳ですが、私の私見としてはまずは政策金融公庫からの借入をおすすめしたいと思います。

 

 理由としては、制度融資に関しては、3者協調融資であるため審査が①地方公共団体、②民間の金融期間、③信用保証協会の3段階に渡ること。すなわち政策金融公庫と比較して手間も時間もかかってしまいます

 

 創業時と言えば、融資ももちろん大切ですが、それよりも何よりもマーケティングすなわち販促施策の方により多くの時間を投入する必要があります。それをしなければ一番肝心の資金調達である営業キャッシュフローが発生せず、それは致命傷につながりかねません。

 

 上記の理由から、まずは政策金融公庫からの借入をおすすめしたいと思います。

 

 尚、借入にあたっては、いきなり政策金融公庫に飛び込むのではなく、まずは専門家への相談をおすすめしたいと思います。というのも専門家からの紹介によって、融資が通りやすい、金利が安くなる、などの様々な特典があります。反対に一人で飛び込んで融資の申請が通らなかった場合には次に審査してくれるのは半年先以上になるケースがほとんどであり、そのような状態になってしまうと、もはや専門家でもフォローできなくなることが懸念されます。

 

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